第二十回(3/18) ★ボクの好きな映画ベストイレブン 後編


◆ビューティフルマインド
 この映画の監督はロン・ハワード、『アポロ13』、『身代金』などを撮っています。主演はラッセル・クロウ、『グラディエーター』や『L.Aコンフィデンシャル』などの“熱い男”というイメージがありますが、この作品を見てこういう役もできるんだなあと驚きました。主人公は天才数学者、そして同時に精神障害も抱えています。天才ゆえに、政府機関に雇われ働くことになりますが…。サスペンスがタップリあり、大きなどんでん返しもあります。でも基本的には骨太な人間ドラマです。主人公に献身的に尽くす奥さん役のジェニファー・コネリーもすごくいいです。この物語が実話だというのもすごいです。ボクはあまり映画やドラマを観て泣くことはないのですが、この映画を観て泣きました。ラスト近く、ノーベル賞にノミネートされたことを伝える使者とサロンで話しているとき、周りの人々が主人公に敬意を表し、次々とペンを贈るシーンです。おそらく普通の人は泣くようなシーンではないのですが、なぜかボクははまってしまい、ホントに涙がポロポロこぼれました。おそらく映画館で泣いたのは後にも先にもこの1本だけだと思います。

◆陽のあたる教室
 今回ボクが選んだ映画11本の中で、唯一サスペンスも殺人もアクションもカーチェイスもどんでん返しもない(笑)、淡々と描かれる人間ドラマです。でも見終わった後にとても優しい気持ちになれる、「人間っていいもんだなあ。」と思える、素晴らしい作品です。主演はリチャード・ドレイファス、ずうっと昔に見た『アメリカン・グラフティ』や『ジョーズ』、『未知との遭遇』の俳優さんです。作曲家になる夢をあきらめ、高校の音楽教師になった主人公。最初はそれほど教師という仕事に熱意もなかったのですが、ある生徒を指導したことをきっかけに‘教師’に目覚め、仕事に情熱と誇りを持って取り組むようになります。私生活では子供ができます。でもその子は耳に障害を持っていました。音楽家の息子なのに聴覚障害という不幸…。主人公はより一層仕事に没頭するようになります。家庭をかえりみないで仕事をする主人公に家庭崩壊の危機が。しかしその危機を救ったのはジョン・レノンのあの名曲だった…。全編をジョン・レノンやスティービー・ワンダーの曲が流れ、お話を盛り上げます。

◆ショーシャンクの空に
 原作がスティーブン・キング。監督はフランク・ダラボン。『グリーンマイル』の監督です。お話も同じ刑務所の中です。無実の罪でとらわれ、終身刑を言い渡され刑務所に送られた主人公。生きる悦びや希望、刑務所を出て行く望みをすべて奪われてしまう刑務所の生活。そんな中で、主人公は銀行員の経歴を生かして所内で経理の仕事を始めたり、囚人仲間の調達屋(モーガン・フリーマン)と友達になったりします。そして数十年、誰もが出所する夢を捨てていく中で、最後まで希望を捨てなかった主人公に奇跡が…。物語のいたるところに伏線や仕掛けがあり面白いです。『グリーンマイル』もそうですが、どんどん映画に引き込まれます。うまい監督ですね。主演はティム・ロビンス。先日ビデオでティム・ロビンスが助演男優賞を受賞した『ミスティック・リバー』も見ましたが、味のあるいい俳優さんです。

◆ユージュアルサスペクツ
 これはホントにマニアックなサスペンス映画ですね。アカデミー賞のオリジナル脚本賞にも輝いています。コカインの取引現場である貨物船で起こった謎の爆発事件。唯一生き残った証人が語った黒幕の麻薬王‘カイザー・ソゼ’。カイザー・ソゼとはいったい何者なのか?カイザー・ソゼがこの事件に関わっているのか?いやそもそもカイザー・ソゼなる人物は実在するのか?謎が謎を呼ぶ展開。はたして真犯人は誰なのか?主演はケビン・スペーシー、『アメリカン・ビューティー』や『L.Aコンフィデンシャル』、『交渉人』、『セブン』などに出てますが実力派のいい俳優さんです。誰もが見終わった後に、「だまされた!」と、うなる、どんでん返しがある映画です。

◆ライフイズビューティフル
 監督、脚本、主演を兼ねるロベルト・ベニーニ。イタリアの喜劇の俳優さんですが、才能ありますね。同じナチスによるユダヤ人弾圧を描いた『シンドラーのリスト』や『戦場のピアニスト』のようなリアルな描き方ではなく、喜劇俳優らしくコミカルに見せますが、脚本がとても面白く、うまいなあと思います。物語の前半の舞台はトスカーナのある街。田舎から大都会に出てきた主人公が美しい女性に一目惚れ。猛アタックを開始します。見事に彼女を口説き落とし結婚。かわいい男の子にも恵まれます。そして後半、戦争が始まり、ナチスによるユダヤ人狩りの影が忍びよります。ついにユダヤ人である主人公家族も捕らわれ収容所に送られます。主人公と息子は、奥さんと引き離され別々の生活が始まります。主人公は息子にユダヤ人弾圧や戦争のことを知られたくないため、「これはゲームなんだ。がんばって点数を稼いで1000点貯まったら戦車がもらえるんだよ。」と教えます。絶望の収容所内でも父子は明るく笑顔を絶やさず懸命に生きます。そして息子の点数が1000点になったとき、ナチス側の戦況は悪化し退却、連合軍の本物の戦車が現れます。しかしそのとき主人公は…。 父子愛や夫婦愛がきれいに描かれて、いろんな伏線がユーモアタップリに仕掛けられ、出来過ぎるくらいうまく造られた作品です。

◆ルパン三世 カリオストロの城
 これはもう名作ですね。宮崎駿の第1回監督作品(長編)です。モンキーパンチ原作のルパンのキャラをよりいっそう魅力的に人間的にそして騎士道精神いっぱいに描いています。脇役の次元や五右衛門、銭形警部、峰不二子もとても魅力的です。悪い魔法使いが高い塔の上に閉じこめたお姫様を救い出すという、誰もが子供の頃読んだ童話のようなストーリー。大がかりな偽札づくりや、隠された財宝、過去のルパンとクラリス姫とのいきさつが絡みます。映画の舞台である架空の国‘カリオストロ公国’というのは、イタリア国内にあるサンマリノ共和国をモデルにしているのでしょうか?(もちろんサンマリノが偽札づくりをしているという意味ではありませんよ)小高い丘にあるお城など、とても感じが似ていると思います。カリオストロ公国にやってきたルパンと次元が街のトラットリアでミートボールのスパゲティを食べるところも面白いです。宮崎監督がキャラクターに喋らせるセリフがすごくいいのです。ラスト、ルパンが事件を解決し去った後、クラリス姫と銭形警部の会話、銭形「ルパンはとんでもないものを盗んでいきました。」クラリス「いえ、あの方は何も盗んでいません。私を救って下さったのです。」銭形「いや、奴はとんでもないものを盗んでいきました…。あなたの心です!…。」   とても印象的なセリフです。

  今回の11本、原稿を書き始めたときに最初にパッと頭に浮かんだ映画を選んだのですが、後でよくよく考えてみると、 あれもよかった、これもよかったとどんどん出てきます。たとえば古いところでは『フレンチコネクション』や『太陽がいっぱい』、 『ローマの休日』、『大脱走』、『燃えよドラゴン』や『ポセイドンアドベンチャー』も捨てがたい。新しいところでは 『L.Aコンフィデンシャル』や『エネミーオブアメリカ』、『バーティカルリミット』、『シックスセンス』、『愛と青春の旅立ち』、 『CUBE』、『レオン完全版』、『トゥルーロマンス』、『俺たちは天使じゃない』、『バイオハザード』などなど。  やはり好きな映画を10本くらいに絞るのは難しいですね。せめてベスト50くらいにしたいです。ちなみに悦子さんの 好きな映画は『となりのトトロ』や『風の谷のナウシカ』、『魔女の宅急便』、『紅の豚』、などの一連の宮崎駿作品だそうです。

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